学習院大学へ移りました

日米生合成セミナーに参加しています

五年に一度、日米の天然物の生合成研究者が一堂に集まって研究発表を行う9th US-Japan Seminar on Natural Product Biosynthesisに参加しています。今回は日米合わせて49名の参加者で皆さんそれぞれ30分の発表を6日間にわたって行うという、きわめて内容の濃いセミナーになっています。私も先ほどゴードスポリンの試験管内完全合成に関して発表を終わらせてきました。これだけ一堂に集まっての発表を聴くと、生合成研究の現代の潮流が理解できてとても興味深いです。

生合成研究は以前より深く、細かい結果が求められていると感じました。分析機器の進歩などを巧みに組み込んで研究を進めて行くことが求められているようです。たとえば結晶構造なら単なるスナップショットではなく各反応段階ごとに解析したり、クライオEMなども駆使して、よりダイナミックに酵素反応をとらえる感じに進んでいます。また、ポスト生合成研究も重要性を増しており、得られた生合成反応から新しい化合物の創製、バイオインフォを用いてより簡単により正確に天然物を探索する手法なども今後の天然物生合成研究の流れなのではないかと感じました。

標高1マイルのアローヘッド湖のほとりに建っているUCLAのカンファレンスセンターが会場でしたが、その会場が素晴らしく、まるで軽井沢の別荘のような感じ(行ったことないけど)でした。皆さんで同じところに泊まって文字通り寝食を共にして勉強しています。

8時から朝食、9時から12時まで午前のセッション、12時からランチ、13時から18時までフリータイム、18時から20時まで夕食、20時から23時まで夜のセッションとなっており、お昼がフリーなので、皆さんテニスをしたり散歩したり、部屋で仕事したりして過ごしています。食事もレストランでみんなで丸テーブルに座って食べているので、本当に合宿のようです。

次回は5年後に日本でということになっています。

参加者の集合写真

落ち着いた雰囲気のセミナー会場。
ここで49人が一人30分ずつ話します。

カンファレンスセンター

みんなでディナー

たき火で暖をとるスペースもあります。いかにもアメリカらしいです