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Onaka
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JACSに2報、ラクタゾールの試験管内完全合成に関する論文が掲載されました!
A. A. Vinogradov, M. Shimomura, N. Kano, Y. Goto, H. Onaka, and H. Suga.* Promiscuous enzymes cooperate at the substrate level en route to lacatzole A. Journal of the American Chemical Society, 142, 32, 13886–13897 (2020)
ラクタゾールには4個所のアゾール化、4個所のデヒドロアラニン化、1個所のピリジン環化(マクロ環化)の3パターン、計9個の翻訳後修飾反応があるのですが、一体、これらはどのような順番で進むのかについて明らかにしたのが最初の論文です。ピリジン環化はアゾール環とデヒドロアラニンが出そろってから最後に形成されるので、調べるまでもないのですが、その前段階で起こるアゾール環とデヒドロアラニン形成がどのような順番で起こっているのかが謎だったわけです。今回の結果ではこれら2種類の修飾反応は協調して行われており、一番メジャーなケースは、システインを認識してアゾリン環が最初に出来、次にそのアゾリン環を認識して隣のセリンをデヒドロアラニンに変換し、最後にアゾリン環が脱水素されてアゾール環になるという順番で協調して合成されていました。その他、N末のピロリジン環形成に必要なデヒドロアラニンは、アゾリン環ではなくリーダー配列を認識することによって独立に形成されることもわかりました。
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図1 ラクタゾールの翻訳後修飾の順番を示す図 |
Vinogradov AA*, Nagai E, Chang JS, Narumi K, Onaka H*, Goto Y*, Suga H*.
Accurate Broadcasting of Substrate Fitness for Lactazole Biosynthetic Pathway from Reactivity-Profiling mRNA Display.
Journal of the American Chemical Society, 142, 48, 20329–20334 (2020)
次の論文はラクタゾール のアミノ酸配列はどこまで置換させても大丈夫なのかについて網羅的に調べた論文です。下図のヒートマップにあるように、3番目のGから9番目のAまでと15番目、16番目のアミノ酸は酸性アミノ酸のE,D以外ならば、ほとんど置換可能です(透明から赤っぽいのは置換されやすい残基です)。この結果はかなり多様なラクタゾールアナログを作れることを示しています。
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図2 ラクタゾールの各位置におけるアミノ酸置換のされやすさをヒートマップで表した |
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