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ゴードスポリン生合成に関する論文がChemBioChemに採択されました

ゴードスポリン生合成遺伝子の破壊株の蓄積する中間体構造に関する論文がChemBioChem誌にて公開されました。

Chembiochem. 2015 Dec 2. doi: 10.1002/cbic.201500541.
Insights into the biosynthesis of dehydroalanines in goadsporin
Ozaki T, Kurokawa Y, Hayashi S, Oku N, Asamizu S, Igarashi Y, Onaka H

本論文はデヒドロアラニン生合成に関与する酵素遺伝子を破壊したところ、デヒドロアラニンを含まないgoadsporin Bの産生と共に、グルタミン酸が付加したgoadsporin B、goadsporinCの産生も確認できたことを報告しています。これまでデヒドロアラニン形成においてはtRNAGluが基質として作用し、デヒドロアラニン残基を形成するセリン残基にグルタミン酸が一旦結合した後、脱離して、デヒドロアラニンが形成されるとされていましたが、肝心のグルタミン酸化した化合物はこれまでデヒドロアラニン形成をするどの化合物においても報告されていませんでしたが、今回初めて中間体の構造をNMRを用いて構造決定できました。

新しく同定したgoadsporin BとCの構造、クリックで拡大します

今回明らかになったGodF,GodGによる
グルタミン酸化を伴うデヒドロアラニン形成機構